推拿(中国式整体)

推拿(すいな)は漢方、鍼灸と並ぶ中国三大療法のひとつ

推拿は日本では、中国式整体と呼ばれています。

「推」には手を一方向へ押し進めるという意味があり、「拿」にはその押し進めた手で掴み上げるという意味があります。                         体をもむ、押す、転がす、振動させる、伸ばすなどの手技を用いて気と血液の流れを整え、腱、骨、関節の機能を改善していきます。

本場中国では疾病の治療手段として、病院などの医療機関で推拿が用いられているといいます

 

数多くの手技を備えて幅広いケアに対応できる

推拿は薬や鍼などの医療器具を使用せずに行う手技です。               手技は療法は大きく分けてマッサージのように軟部組織に働きかけるものと、カイロプラクティックのように骨関節部に働きかける二種類になると言われています。

推拿はその両方を兼ね備えていることから他の整体法と比較して多数の手技を持ち、組み合わせにより体質や症状に合わせえてさまざまな施術を行う事ができるのが特徴です。

推拿は筋肉、軟部組織の骨盤、関節などの調整力に優れており、血流の気(体のエネルギー)の巡りを良くし、代謝を高め、体が本来持つ自然治癒力を高めることで、体の不調を解放へと誘導します。                              体の芯から疲れが改善され、高い即効性を持つと言われています。

基本的な手技には、手のひらや指で徐々に力を加えるように押していく「按法」、円を描きながら柔らかくもむ「揉法」、直線を描きながら押す「推法」、手掌で皮膚を擦る「擦法」、腱や筋を掴んで持ち上げて、ゆっくりと離す「拿法」などがあります。

経絡や経穴を刺激

推拿の手技には、経絡や経穴を刺激することで経路を、気流の流れを良くして痛みをやわらげたり、痙攣した筋を伸ばして筋肉の緊張をほぐす効果などが期待できます。

また、内臓の動きも改善され、体を本来の健康な状態に導くことで自然治癒力を向上させていきます。

肩こり・頭痛・腰痛・冷え性・便秘・生理痛など幅広く対応

推拿は、骨盤・脊柱の歪みなどの悩みや、肩こり、頭痛、腰痛、冷え性、便秘、生理痛などにも幅広く対応しています。                          血の流れを改善させることで代謝を高め、体内の余分な老廃物を取り除くことでむくみを取り、損傷した組織を修復する効果も期待できます。

推拿の手技療法の効果は科学的な実験によっても証明

近年、中国では推拿の手技療法の効果はさまざまな化学的な実験によっても証明されており、現代医学や西洋医学からのアプローチによっても認められつつあります。     手技のみによる自然療法で不必要な力を加えないため、体に負担をかけずに病気の予防や体質改善として受ける事ができる安全性の高い施術と言えます。

経絡について

中国医学では、健康を維持するためには気の絶対的な量だけではなく、気がバランス良く配分されているかどうかが重要だと考えられています。

人間の肉体を校正している何十億という細胞が正常に機能するためには、そのひとつひとつが常に気で覆われている必要があります。経絡は、その気を全身に配分するための道筋であり、肉体、心、精神、そして五要素【気(き)、精(せい)・神(しん)・血(けつ)、津液(しんえき)】全てと結びついていると言われています。

血液が流れる静脈や動脈といった物理的な道筋と異なり、解剖して見ることの出来ない、体の片側に12本ずつ経絡があり、それぞれ左右対称になっている。各経絡に沿って、ツボ(経穴)と呼ばれる特定のポイントがあり、気はそのポイントから体の表面へ流れていると言われています。

主なテクニック

按法(あんぽう):押す

手のひらや手根(手のひらの手首に近い部分)、肘、親指などを使い分けて圧を与えていく。                                      皮膚の感覚器官を刺激し、内部組織の気の流れを整える効果がある。                親指や肘の按法は、特定のツボへ直接効果をおもたらす。

拿法(なほう):つまむ

組織にそれぞれ反対の方向から圧力を加えるテクニック。                 最初は軽く、徐々に強くつまんでいく。手全体でつまむ、親指とその他の指でつまむ、両手を組んでつまむなどの技法がある。                       血流、リンパの流れを刺激し、気に働きかけていく。筋肉をほぐす効果もある。

揉法(じゅほう):摩擦する

按法に動きを加えたテクニック。皮膚に置いた手の位置をずらさず、皮膚が動く範囲内で、前後、円を描くように動かす。手根、親指、肘、前腕を使う。

擦法(さっぽう):摩擦する

皮膚の表面を手で動かすことによって摩擦熱を起こす動作全般を指すテクニック。     優しく前後に動かす圧から勢いよくゴシゴシこする圧まである。             手のひらを使った摩擦から、手の側面を使ってノコギリで切るような摩擦、両方の手のひらで反対方向に摩擦する方法、上腕上部で摩擦する方法などがある。

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プロフィール

鈴木 智美

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